湯段温泉

湯段温泉について

その土地では時間が止まっている

弘前から岩木の山を登り、嶽温泉を越えたさらに先を、左へ折れる。高原の道を進むと、その奥に3軒の湯宿が、広場を取り囲むように寄り添って建っている。静かな山間で、ここだけが時間の止まっているようでもある。どの宿も建物のなかに時間はゆったりと流れ、人もゆっくりとのどかに話す。岩木山麓の数ある温泉のなかでも、この湯段がいちばん古い湯治の宿だ。近年では別荘地のなかにも、旅館や、山の食べ物を食べさせてくれる民宿、佐藤初女(サトウ・ハツメ)さんの「森のイスキア」が出来た。黒滝渓流や水芭蕉沼も近く、野鳥のさえずりも聴こえる。どの宿も、静かに山の息吹を感じながらゆったりと心と体を休めることが出来る。

ことばの温もりが人を温める

浴室は、いずれの宿も、こじんまりと小さい。何人かが浸かるだけであふれてしまいそうな湯船だ。だが、こんこんと湧いているだけのそのお湯に身を浸していると、指の先から疲れが抜けていくように思うのはなぜだろう。ここでは、湯浴みに来た見ず知らずの人びとが、旧知の間柄でもあるかのように、打ち解けて話す。むらの共同浴場のような雰囲気だ。この湯に浸かれば、なぜか心も暖まり、人はゆったりと話すようになる。まるで、この土地の時間と同化したかのように。

自然とともに生きる智恵が最高の贅沢

山に暮らすこの土地の人びとは、山から恵みをいただき、山に感謝して食べ物を作る。春の山菜は、お浸し・和え物・天ぷらにする。秋のきのこは、汁物や佃煮(地元では「塩辛」と呼ぶ)にする。秋には木の実も穫れる。こういった山の恵みを、山に暮らす人びとは、根こそぎ採ったりはしない。また来年も恵みがあるように、鳥や虫たちにも分け前があるように、残しておく。一年中、食べつないで行けるように、これを干したり漬けたりする。自然とともに生きる智恵。自家製の味噌で作る干しわらびの味噌汁などは、最高に贅沢な一品であろう。

湯段温泉の基本情報

施設名各施設一覧
泉質塩化物泉
効能リウマチ性疾患、痛風、慢性消化器疾患
交通JR奥羽本線弘前駅から車で50分

※掲載情報は平成20年2月時点のものです。各施設の営業日・営業時間・料金・条件等は事前にご確認ください

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