落合温泉

湯治場

落合温泉について

山あいの谷の湯宿の街

温湯温泉から浅瀬石川沿いに1キロばかりさかのぼったところに、落合温泉はある。川の対岸に板留温泉が見える。山あいの谷に湯宿の街がひっそりと固まって見えた。落合温泉には、比較的大きなホテルもあるが、小さな温泉旅館もあり、観光客のための施設もあるが、地元の人のための共同浴場もある。そのどれもが、心遣いがあって、気持ちよい。温泉に何を求めるかは人によって違うだろうが、どの人にも答えうるものをこの温泉地は持っている。

地域の人が大切に守る共同浴場

浅瀬石川の土手を行く小径に面して、小さな共同浴場がある。受付に当番の人がいて、ここでお金を払って入る。もともとが地元の人のための共同浴場だから、体を洗う人びともたがいに知りあいどうし、世間話をしている。とくに女風呂は賑やかだ。
最近改装されて、湯船は広くなった。湯は、いまでも相当に熱いほうだが、以前は掛け湯をしなければ入れないほどだった。透き通って、さっぱりしたお湯である。はじめは熱く感じるが、湯に慣れてくると柔らかくじんわりと体を包み、じつに気持ちがよい。浴後の肌はすべすべで、浸かりすぎると湯あたりする。無色透明だからといって、成分が弱いわけではない。
そろそろおしまいという時間になると、掃除当番がやって来る。男湯に一人、女湯に一人。地域の人が廻り番で交替する。せっかく掃除に来るのだからと、当番の人が湯に浸かっていることもある。
共同浴場は、地域の人に愛され、地域の人が大切に護って来たのだった。そんな地元の人のためのお湯を、せっかく湧いているのだからと、日帰りの客にも分けてもらっているのだ。板留温泉の共同浴場がなくなったので、このあたりでは地元のための共同浴場は、ここだけになった。

百人足湯に浸かり、伝統に浸かり

落合温泉の真ん中に「津軽こけし館」がある。ここには四千点に及ぶ全国のこけしと木地玩具が展示されている。温湯こけしの礎を築いた盛秀太郎や佐藤善二のこけしも、そのなかにある。少し変わったところでは、棟方志功の絵付けしたこけしも。毎日、温湯こけしの工人が来て、ここでこけしを作る。津軽のこけしは横ロクロで削るのが特徴だ。
津軽こけし館と隣り合う「津軽伝承工芸館」には、7つの工房があって、津軽塗・ねぷた・わら細工・津軽の食文化・ヒバの工芸・津軽せんべいなど、地域に伝えられてきた技と知恵を体験することができる。展示資料室には山崎恒雄(ヤマザキ・ツネオ)が製作した「組ねぷた」(人形ねぷた)もあり、盆の流し踊り「黒石よされ」や、近くの大川原集落に伝わる「火流し」など、黒石の祭りや民俗芸能を知ることができる。
「こみせ」(商店が軒先を出し合って、雨や雪に濡れずに歩けるようにした、津軽地方に江戸時代から続く雁木(がんぎ)のアーケード)の通りを模して並んだこれらの施設の真ん中の広場を、温泉のお湯が流れ、百人以上が入れる足湯になっている。
湯治客ならずとも、湯浴みをしたり、のんびりと見物し、疲れたら足湯で休む。一日いても飽きないだろう。

落合温泉の基本情報

施設名各施設一覧
泉質ナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉
効能神経痛・関節痛・五十肩・打ち身・慢性消化器病・痔病・冷え性・疲労回復
交通弘南鉄道黒石駅から弘南バス落合温泉下車

※掲載情報は平成20年2月時点のものです。各施設の営業日・営業時間・料金・条件等は事前にご確認ください

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