古牧温泉

文人ゆかりの湯

古牧温泉について

青森の文化を体感する温泉

渋沢敬三や岡本太郎と縁があった古牧温泉。青森の祭りや郷土料理、湯治、方言、工芸品など、その文化に触れることができる「文化体感旅館」だ。
青森体感レストラン「みちのく祭りや」には、青森ねぶた・弘前ねぷた・八戸三社大祭という青森の三大祭りの、本物の山車が展示してある。地元の魚や山菜・きのこ・地鶏・有機野菜で作る料理に舌鼓を打ちながら、三大祭りのお囃子を聴く。さらに津軽三味線と民謡の公演、青森ねぶたの跳ね人体験も。祭りと伝統に触れ、地元の食材と郷土料理を食す。食べて、観て、聴いて、踊る。まさに五感で青森を感じるわけだ。
「料理長と行く目利きツアー」も青森の味を楽しむプログラムの一つだ。三沢漁港で魚を仕入れ、古民家「南部荘城」の囲炉裏で焼く昼食。魚の選び方をプロから学べ、選んだ魚をせりにかける体験もできる。

生活資料と民家・建築の史料

古牧温泉に収集された民俗資料は、渋沢敬三(1896~1963)の指導による。日銀総裁や大蔵大臣を務めた敬三は、柳田國男がつくった民俗学に大きな関心を寄せ、自宅の屋根裏部屋に私設の博物館「アチック・ミューゼアム」をつくった。その敬三の指導で、小川原湖周辺を中心に南部地方の生活資料を集め、保存している。
このなかには、南部裂織や南部刺子の仕事着など、国の重要民俗文化財も含まれている。その南部裂織の体験もできる。昔ながらの地機(じばた)を使って、裂織の職人が指導してくれる。
南部地方は、畑作による雑穀の文化圏。粟(アワ)や稗(ヒエ)・黍(キビ)などを食べ、麦・そばを粉にして調理する。玉味噌や漬物などの醗酵食品、寒大根・凍み豆腐・凍み芋などの保存食も、この地域の特徴だ。館内に、南部地方の食膳を時代を追ってたどれるように再現し、展示している。
このほか、古牧温泉には、六戸の円子家を移築した「南部荘城」、十和田市から移築した南部曲り家、山形県朝日村から移築した兜造り民家がある。また、日本経済界の父・渋沢栄一とその孫・敬三が住んだ「渋沢邸」が、古牧温泉に移築されている。清水建設の創業者・清水喜助の手で明治9年(1876)に建築された建物で、現存する清水喜助の手による建物は、この渋沢邸だけで、建築学的にも重要なものとなっている。

岡本太郎の見た東北の魂

岡本太郎は「オシラの魂-東北文化論-」(『中央公論』1962年11月)執筆の取材のおり、7月に古牧温泉を訪れた。太郎は、オシラサマの行事に関心を寄せ、恐山の大祭、川倉地蔵の地蔵会の盆踊り、酸ヶ湯の丑湯を見て歩いた。その途中、金木の荒馬も見た。「神秘日本」と題するこの連載のなかで、岡本太郎は東北に日本の忘れられた原型を見ることになる。以後、東北に見せられた岡本は、毎年この古牧温泉を訪れ、記念碑「愛」「エラン」・「喜びの鐘」など、数多くの作品を残した。

池に浮く露天風呂と青森ヒバ造りの内湯

この古牧温泉に、新しくリニューアルした大浴場。浴室も、天井に至るまで青森ヒバで作った内湯。足を踏み入れた瞬間に、ヒバの香りに包まれ、じつに心地よい。浴槽は「あつ湯」と「ぬる湯」があり、湯治気分も満喫できる。露天風呂は、庭園の緑に囲まれた池の真ん中に、まるで浮かんでいるかのような造り。広大な庭の広大な池。湯船は、その水に手が届くほど間近にある。湯と・池の水と・庭園の空気がいったいに溶け合い、そしてそのなかに体さえも融けていくような、不思議な感覚に癒される。

古牧温泉の基本情報

施設名古牧温泉 青森屋
泉質アルカリ性単純温泉
効能神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復
交通JR東北本線三沢駅下車

※掲載情報は平成20年2月時点のものです。各施設の営業日・営業時間・料金・条件等は事前にご確認ください

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