百沢温泉郷

絶景の湯

百沢温泉郷について

岩木山信仰が支える温泉街

津軽平野に暮らす人びとは誰も、岩木山に特別な感情を抱いている。平野のどこからでも仰ぎ見ることのできるこの山に、親しみ、おそれ、祈る。旧暦8月朔日(ツイタチ)のご来光を拝むため、村ごとに一団となって山頂に登る「お山参詣(オヤマサンケイ)」は、この平野の米作りが岩木山信仰に支えられていることを示している。
この岩木山を祀るのが「岩木山神社」(いわきやまじんじゃ)だ。山頂には奥の院もある。明治以前の神仏混淆(コンコウ)の時代は、「百沢寺」(ひゃくたくじ)という寺だった。その門前に、百沢の温泉街がある。温泉街といっても、10軒ばかりの湯宿が、岩木山神社の周辺を中心に、百沢の集落のなかに点在しているので、いわゆる温泉街に付き物の歓楽めいた匂いはない。参拝を兼ねて湯治する人びとに宿を提供するところから出発したからだ。

宿毎に別の源泉

百沢温泉は、湯宿ごとに泉質が違う。たとえば、岩木山神社の参道の左側はマグネシウムなど「土類」と塩化物を多く含み炭酸ガスの多いお湯、しかし右側は炭酸ではなく硫黄のガスが多いお湯、少し離れたところにはマグネシウムのほかにカルシウムを多量に含むお湯もある、といった具合だ。湯花で白濁した湯もあれば、茶色に見えるお湯もある。さまざまな湯が楽しめるところが、百沢の特色である。

神社からの登山口

岩木山神社は、岩木山への登山口のひとつ。鳥居から参道・楼門・中門・拝殿・奥門・本殿と、まっすぐに岩木山へ向かっている。楼門は、真言宗の寺であった百沢寺の門だが、禅宗の様式を取り入れている。寛永5年(1628)の建立だ。拝殿は百沢寺大堂(本堂)で、寛永17年(1640)に入仏供養会が行われていた。慶長8年(1603)の棟札には、越前や丹波の大工や鍛冶が名を連ねている。中門・拝殿・奥門・本殿は、これよりのち貞享3年(1686)から元禄7年(1694)にかけて建立した、岩木山三所大権現(岩木山の3つの頂の神様)の「下居宮(オリイノミヤ)」だ。これらがすべて国の重要文化財に指定されている。
登山口は、境内を左に入る。ここから山頂まで、およそ5時間。春ならば登り始めにカタクリの群生を、初夏ならば8合目から9合目にかけてミチノクコザクラを見ることができるだろう。

百沢温泉郷の基本情報

施設名各施設一覧
泉質含重炭酸土類 – 弱食塩泉
効能切り傷・火傷・慢性皮膚炎・慢性婦人病・虚弱児童他
交通JR奥羽本線弘前駅からバスで30分

※掲載情報は平成20年2月時点のものです。各施設の営業日・営業時間・料金・条件等は事前にご確認ください

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