鯵ヶ沢温泉

絶景の湯

鯵ヶ沢温泉について

海の町の温泉宿

鰺ヶ沢は弘前領随一の北前船の湊であった。むかしから漁業も盛んで、西海岸の海産物が集まってくる。そういう海の町の温泉宿は、塩分の強い掛け流しの温泉。北の海で捕れた新鮮な魚介を食べることができる。
鰺ヶ沢温泉(ホテル山海荘、山海荘別館水軍の宿)は、30万年前の海水が温泉として湧き出したもので、柔らかく、すべすべする肌触りが心地よい。鳴戸温泉(グランメール山海荘)は多少の土塁を含む淡い黄褐色の温泉で、こちらも塩分が濃く、温まる。海の町ならではのお湯だ。

北前船の湊

鰺ヶ沢は、江戸時代、津軽藩の年貢米を大阪に積み出す湊だった。年に七万石の米が運ばれたらしい。浜町には、年貢米を納めた蔵があった。藩の財政を支えるこの湊には、町奉行所が置かれていた。湊町らしい折れ曲がった街道沿いに、商人の街が出来た。その町並みが、今日も残っている。
湊街には、昔の面影を偲ばせるものも多い。奉行所のあった丘の下には、こんこんと清水の湧く井戸がある。「城下の水」と呼ぶ。かつて北前船に積まれた飲み水だ。大きな湊の条件の一つは、よい水が手に入ることだ。鰺ヶ沢にも、湧き水は多い。
船頭衆や人足たちが集まるので、清らかな湧き水を使った造り酒屋もあった。古くからの味噌蔵もある。酒造りや糀造りは、北前船で伝わった技だ。商人と職人が、湊町にやって来た。海の道は、さまざまな文化を連れて来る。

湊がもたらした郷土の菓子

鯨餅も西廻りの海運がもたらした和菓子だ。もともとは京の和菓子だったが、いまは京都では作られていない。山形県の最上川流域にある「くぢらもち」「久持良餅」、鰺ヶ沢の「鯨餅」など、北前船の交易圏に残っている。
もともとの京都では小豆の黒と米の粉の白の二層に重なるお菓子で、切った断面が鯨のベーコンのように見えるところから、この名前がついた。伝えられた先で、その土地らしい変化を遂げていく。たとえば山形では味噌味や醤油味のものも生まれ、胡桃や胡麻が入り、旧暦の桃の節句に作るお菓子になった。
鰺ヶ沢には、青海堂と村上屋という二軒の鯨餅店がある。どちらも、商品は「鯨餅」だけ。ただ鯨餅だけを商う店が、ほとんど隣り合って、軒を並べているというところが、面白い。二軒とも、京の都と同じく「鯨餅」と書く。
材料は、米の粉と小豆・砂糖だけ。鰺ヶ沢では、山形のように味噌や醤油を入れたものはなく、胡桃や胡麻を入れたものもない。こちらのほうが江戸時代の京都の製法に近いが、米の粉と砂糖だけで作る白い層はない。全体が小豆色をしている。
青海堂は小豆の色が濃く、しっかりとした味わいがある。村上屋は色も淡く、ほのかな甘みがある。代々受け継ぐうちに生まれた、その店の個性だ。
もともとは、この鰺ヶ沢に四軒の鯨餅屋があったらしい。いまも残っている二軒の店は、百年ばかりまえ、明治のころに創業した。浅虫の「久慈良餅」は、この鰺ヶ沢の「鯨餅」が伝わったものである。

鯵ヶ沢温泉の基本情報

施設名ホテル山海荘、山海荘別館水軍の宿
泉質ナトリウム・カルシウム塩化物・強塩泉(塩化ヨードブローム泉)
効能山海荘 慢性皮膚病・痔疾・リウマチ・慢性婦人病
水軍の宿  切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
交通JR五能線鰺ヶ沢駅下車、徒歩5分
※宿泊者には、JR鰺ヶ沢駅からの送迎バスあり
施設名グランメール山海荘
泉質ナトリウム・塩化物・強塩泉(高張性中性温泉)
効能切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
交通JR五能線鯵ヶ沢駅下車(駅より送迎バスあり。要予約)
施設名熊の湯温泉旅館
泉質含食塩石膏泉
効能切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
交通JR五能線鯵ヶ沢駅下車(30分)

※掲載情報は平成20年2月時点のものです。各施設の営業日・営業時間・料金・条件等は事前にご確認ください

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